川平内科緊急情報のブログ
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7月になりました🍉
今回は薬の効き目を十分に活かし、服用し忘れや副作用を防ぐため、薬の管理について書きます。
☆飲み忘れを防ぐ工夫
服薬ごとに分けられる薬ケース、お薬カレンダー、スマートフォンアプリを利用するほか、食事時の声かけなど家族に協力してもらうのも良いでしょう。
☆飲み忘れてしまったら
気づいたときの飲めばよいものと、そうでないものなど薬によって違います。飲み忘れたらどうすればよいか、あらかじめ医師・薬剤師に聞いておきましょう。
☆薬の用法を守る
薬は用法を守らないと本来の効果が出ません。量を増やす・減らす・飲むのタイミングを変えるなどの勝手な判断をしてはいけません。副作用のリスクも高まります。
☆飲み忘れ、余った薬の扱い
余った薬は申告してください。残っている薬は処方を調整することができます。正直に話して怒られるということはありません。自宅に残しておくと間違って服用してしまう恐れもあります。また、症状が一緒だからといって薬を他人にはあげてはいけません。
☆体調が変化したら
副作用を含め体調の変化はすぐに医師に相談してください。薬を飲むのが憂うつな場合などでも相談しましょう。
☆薬の情報の管理
自分が透析患者であるということと、自分が飲んでいる薬の情報は他科を受診する場合や市販薬を使いたい場合、災害時等にも必要です。お薬手帳、処方シール、薬剤情報提供書などもしっかり管理しましょう。
🐌6月のブログ☔
今回は旅行透析に関してです。
旅行透析というワードを知っていますか?
透析患者さんが、出張先や旅行先の病院で透析を受けることができるシステムをいいます。
旅行透析がしたい場合は以下の方法をとります。
①主治医に相談し、許可をとる。(体調によっては許可が出ない場合もあります)
②旅行先の病院をご自身で探して頂き、予約をして頂きます。(旅行先近くの透析施設を情報提供する事は可能です)
③旅行先の病院が決まったら、当院より透析条件や紹介状を送ります。
④費用は、日本国内であればいつもの自己負担でOKですが、海外は全額自費になることが多いです。
⑤当日は保険証・書類・お薬などを持っていきます。
分からない事があれば、スタッフへ声をかけて下さい。
5月になりました🎏
前回、生体におけるリンの調節について書きました。今回もリンについて書きます。
血液中のリン濃度が高い状態が続くと様々な合併症の発症リスクが高まります。高リン血症は初期には症状があらわれず、気づかないうちに進行してしまうことがあるため注意が必要です。
《高リン血症が引き起こす代表的な合併症》
➤骨がもろくなり、骨折しやすくなります
高リン血症の状態が続くことで、副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌されるようになり、骨からカルシウムやリンが流出してしまいます(二次性副甲状腺機能亢進症)。その結果、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。
➤血管が石灰化して硬くなり、心臓病や脳卒中の発症リスクが高まります
体内で増加したリンとカルシウムが骨以外に沈着することがあります(異所性石灰化)。リンとカルシウムが血管や心臓に沈着して石灰化し、硬くなることで心臓病や脳卒中の発症リスクが高まります。
【高リン血症は“三位一体”で治療します】
高リン血症には、食事療法、透析療法、薬物療法の“三位一体の治療”が重要となります。
<食事療法>
リンの摂取量が適切になるよう食事の内容をコントロールします。
<透析療法>
十分な透析により、できる限り体内のリンを除去します。
<薬物療法>
・高リン血症治療薬(リン吸収阻害薬、リン吸着薬)を服用します。
・症状に合わせて副甲状腺ホルモン(PTH)を押さえる薬(カルシウム受容体作動薬、活性型ビタミンD3製材)を服用します。